ジョー・バイデン大統領は、ジョン・ケリーの後任として、彼の元シニア・アドバイザーのジョン・ポデスタを気候変動特使に指名するようだ。75歳のポデスタは、ビル・クリントン元大統領のホワイトハウス首席補佐官、バラク・オバマ元大統領の顧問を務め、2016年にはヒラリー・クリントンの大統領選挙キャンペーンの議長を務めた。今月初め、ジョン・ケリーはホワイトハウスを去り、バイデンの再選キャンペーンに移行すると発表した。
バイデンから気候変動特使に抜擢される前、ポデスタはクリーンエネルギーに関するホワイトハウスの政策を監督していた。インフレ削減法の施行は、長年進歩派の工作員を務めてきたポデスタのポートフォリオにおける主要課題のひとつだった。この大規模なグリーン・アジェンダ法案はインフレ対策と銘打たれていたが、バイデン政権下で物価上昇の一因となった可能性が高い。

ポデスタの昇格は、バイデン政権が国際的な気候変動政策から重点を移し、代わりに2024年11月の総選挙までに新たな国内ルールを確定させる努力をエスカレートさせる意向であることを示唆しているのだろう。ドナルド・トランプ前大統領は、ほとんどの総選挙の世論調査でバイデンに肉薄もしくはリードされているが、民主党大統領が制定した過酷な環境規制の多くを撤回すると公約している。
選挙戦でトランプは、バイデンの電気自動車義務化と補助金の失敗を繰り返し指摘している。バイデンの電気自動車政策に対するメーカーや自動車労組の反応は鈍く、消費者の需要は落ち込んでいる。ポデスタの指導のもとでは、補助金や義務付けが撤回される可能性は低い。
バイデンのチーフ・スタッフであるジェフ・ジエンツは声明で、「我々はこの瞬間の重大さに応え続ける必要があり、それを確実にするためにジョン・ポデスタ以上の人物はいない」と述べた。ザイアントは、ポデスタは引き続き “史上最も重要な気候変動法実施の指揮を執る “と付け加えた。