米国防総省(DoD)の軍保健プログラム担当部局が、請負業者によるCOVID-19データの不注意な取り扱いの結果、議会で発言する際に「不正確で誤解を招きかねない」データに依拠した可能性があることが、連邦政府の監察官によって発見された。
7月11日に公表された報告書の中で、国防総省監察総監(Inspector General: IG)は、具体的な名前は挙げられていないが、この請負業者が、個人の健康記録から検索可能なデータベースにデータを転送する際に、おそらく国防省保健局(DHA)が要求した90%の精度基準に満たず、正確であることを確認するために選択的にサンプルを選んでいたことを発見した。その結果、議会は軍におけるCOVID-19について欺かれ、軍の医療専門家や政策立案者は勧告やガイドラインを制定するためにデータを誤って解釈した可能性がある。
「国防総省は、COVID-19パンデミックに関する公衆衛生および臨床ケアの決定を行うために、COVID-19レジストリのデータを信頼することはできない。なぜなら、そのデータは完全でなく、正確でもなく、COVID-19イベントを起こした国防総省の患者を代表するものでもなかったからである。
DoDは「COVID-19イベント」を、検査結果が陽性であった場合、またはCOVID-19の症状により医療提供者が患者の隔離や入院を必要とした場合と定義した。
報告書によれば、COVID-19イベントを経験した軍の医療システムに登録された全患者の代表的なスナップショットを提供し、治療選択の指針とすることを目的としている。この登録は、国防総省が国会議員などの利害関係者からの情報要求に応えるために使用される。
「COVID-19パンデミックの間、[統合外傷システム]職員が国防総省や他の利害関係者に提供したCOVID-19レジストリのデータは不正確であり、誤解を招く可能性がある」とIGは続けた。
IGによれば、許可されたユーザーはオンライン・ダッシュボードを介してレジストリにアクセスすることができ、「特定の治療を受けた患者数」のような特定の特徴をフィルタリングすることができる。そのデータは、国防総省の医療専門家が患者のケアに関する決定を下したり、病気の経過をモニターしたりするのに役立つ。
しかし、国防総省は登録データを、パンデミック対応や戦時即応性テストなど、より広範な目的に利用することも意図していたと、2021年12月の報告書紹介で議会で演説したギル・シスネロス国防次官(人事・即応担当)は述べている。
「完全かつ正確で、代表的なデータがなければ、DHAはこの目標を達成できないかもしれない」とIGは書いている。
DHAは「レジストリの登録基準や、レジストリ内の2つの詳細レベルの関係についての誤解に対処している」とスポークスマンはDaily Caller News Foundationに声明で述べた。
DHAは、システム間で大量のデータを転送する自動化された方法を欠いていたため、医療記録からデータを抽出し、品質コンプライアンスを手動でチェックしながらレジストリに追加する請負業者に依頼した。
デイリー・コーラー・ニュース・ファンデーションは、IGレポートでは請負業者の名前が挙げられていなかったにもかかわらず、IGレポートからハワイを拠点とするPo’Oklela Solutions社に発行された賞の識別番号と結びつけることができた。
ポオクレラ社はアラカイナ・ファウンデーション・ファミリー・オブ・カンパニーの一員であり、「ネイティブ・ハワイアン・オーガニゼーション(NHO)が所有し、スモールビジネス、8(a)認定スモール・ディスアドバンテージ・ビジネス(SDB)、[Historically Underutilized Business]ゾーンの各カテゴリーに分類される、業界で認められた政府サービス企業で構成されている」と説明されている。
抽出されたデータについて、DHAは90%の正確性を要求した。しかし、IGが調査した25件の医療記録のうち24件に誤りがあった。
IGが発見したところによると、この業者の品質管理担当看護師は、無作為にではなく、彼らの判断に基づいて確認する記録を選んだが、記録が正確かどうかをチェックする際、その結果を正確に記録していなかった。例えば、過去の病気として「高コレステロール」の記載が漏れていた記録があった。
IGによれば、ポオケラ氏は、十分正確でなかったサポート・サービスの料金620万ドルを支払う責任がある可能性があるという。記録によれば、国防総省はポオケラ社に同じサービスの2つ目の契約を与えたが、その契約は9月に切れる。
シスネロスによれば、DHAは2021年5月の時点で227,000件以上の症例を登録したという。DoDは今後も登録件数を増やしていくつもりである。
At the onset of the pandemic, EIDS stood-up a COVID-19 registry that pulls COVID-19 patient data – including those related to vaccinations – from #MHSGENESIS and all relevant legacy systems. The data is updated no less than daily and distributed to the @CDCgov every day. pic.twitter.com/RKCLn93XBh
— PEO DHMS (@DoD_EHR) January 13, 2021
引用:Leading Report