ブルームバーグ億万長者指数によると、世界で最も裕福な500人の純資産は今年、合計で1.5兆ドル急増した。
その先頭に立ったのは、ソーシャルメディアと世界一の富豪イーロン・マスクである。
その主な要因は、彼が保有するテスラ株式の12.95%であり、テスラは今年に入ってからも目覚ましい成長を遂げた。
世界で最も価値のある自動車メーカーであるテスラは、昨年比130%増の248ドルで取引を終えた。
反ユダヤ主義的なコンテンツがツイッターとして知られていたサイトに蔓延しているとの主張により、優良広告主がXのプラットフォームから離れ、広告売上が25億ドル減少したと予測されている。
今年、人工知能のブームに後押しされたテック・セクターの驚異的な成長により、他にもすでに億万長者になった人物が何人かいる。
メタのボスであり、マスクとの “ケージ・マッチ “が頓挫した宿敵でもあるマーク・ザッカーバーグは、純資産が840億ドル増加し、1億3000万ドルで今年を6位で終えた。
アマゾン創業者のジェフ・ベゾスは、さらに713億ドルも財布を肥やし、1780億ドルの純資産で世界第3位に浮上した。
マイクロソフトの今年の業績は、前CEOのスティーブ・バルマーにとって朗報となった。
バルマーは現在もこの巨大ハイテク企業の株を4%ほど保有しており、今年の利益447億ドルに貢献している。
2015年にマイクロソフトを退社し、慈善投資会社バルマー・グループを立ち上げたバルマーは、2023年、1310億ドル(約14兆円)を稼ぎ出し、世界で5番目に裕福な人物となった。
グーグルの親会社アルファベットの共同創業者であるラリー・ペイジとセルゲイ・ブリンは、今年それぞれ439億ドルと410億ドルを稼いだ。
ペイジは1270億ドル(約12兆円)、ブリンは1200億ドル(約12兆円)で9位。
マイクロソフト創業者のビル・ゲイツは、2023年には313億ドルという控えめな収入を得ている。
ブルームバーグは、世界最大のソフトウェア・メーカーの1.4%を所有していることと、カナダ最大の鉄道事業者であるカナディアン・ナショナル鉄道を含む数十社の上場企業の株式を保有するカスケード・インベストメントの支配的な役割を担っていることに起因しているとしている。
高級品大手のLVMHのベルナール・アルノー氏は、わずか169億ドルの資産を追加しただけで、昨年のトップからマスク氏の後塵を拝することになった。
デザイナーグッズの転売を手がけるマイテレサによると、「2008年以来最悪の市場環境」にある高級品セクターをハイテク株がアウトパフォームしたため、マスクと74歳のアルノーとの差は530億ドルも広がった。
しかし、フランスの美容ブランド、ロレアルの後継者であるフランソワーズ・ベッテンコート・マイヤーズはこのトレンドに逆らい、286億ドルの資産を追加して第12位にランクアップし、女性として初めて1000億ドルの壁を突破した。
この70歳の富豪は、彼女の祖父が1909年に設立し、現在2400億ドル以上の価値がある世界最大の化粧品会社の株式によるもので、2017年に母親であるリリアン・ベッテンコート氏が亡くなった後に相続した。
今年最大の損失を出したのはインドの大富豪ゴータム・アダニで、373億ドルを失った。
投資調査会社ヒンデンブルグ・リサーチが「アダニ・グループは数十年にわたり、大胆な株価操作と不正会計スキームに関与してきた」とする辛辣な報告書を発表し、1月27日だけで210億ドルを失った。
ニューヨークを拠点とする調査グループは当時、アダニ・グループの高債務についても懸念を示し、投資家の110億ドル以上の富を消し去ったと主張した。
アダニはすぐに世界第3位の富豪の座を追われ、2023年には純資産832億ドルで、ブルームバーグの指標では15位で終わることになっている。
引用元:New York Post